茶色

エリザベスさんは股関節検査がすこぶる良かったので
ずっと歩けるものだと思っていた。
まさか、こんな風になるなんて。
またいつか行こう、また今度行こう。
その「また」がこんなに難しくなるなんて。

どこかで読んだ「介護は幸せな時間」だという言葉をふと思い出した。
確かに、もしもエリザベスさんが今もピンピンして歩いていたら
きっと、私は毎日実家に寄ったりしないだろうし
毎日エリザベスさんに会いにきたりもしないだろう。
だってピンピンしてるんだもん。

庭でエリザベスさんの動きづらくなった脚をさすりながら
こんな風にならないと会いに来ないバカな姉さんだけれど
こんな風になったから今は毎日エリザベスさんと会えているわけで
ま、結果オーライか。となんだかよくわからない結論を導き出してみたり。

それはそうと、エリザベスさん、あなたのアゴ汚すぎない？
ウエットティッシュが茶色だよ？


見えません。


アゴは汚いけれど、今日も良く頑張りました。